ラミネートベニアの歯科用セメントの色選び

ラミネートベニアはセメントの色も選べます

ラミネートベニアはセラミッククラウンよりも歯質切削量を抑えているため、装着する技工物(シェル。ラミネートべニア本体のこと)はかなり薄く仕上がってきます。

歯本来の色味を再現しながら透明感を持たせて作成するため、接着用セメントの色味はセット後の仕上がりに影響してきます。そのため、セメントの色の選び方が非常に重要です。

試し付け「トライイン」で色をチェック

クリニックでラミネートべニアをセットする場合、本番前に仮装着をして色やかみ合わせの調整を行います。

仮装着の段階では技工物の適合確認と合わせて、トライインペーストによる試適を行い、セメントのカラーを選択します。

トライインペーストは水で洗い流せるため複数の色味を繰り返し試すことができ、よりご希望に近い仕上がりになるよう、また治療部位以外の歯にもしっかりとなじむかどうかも確認することが出来ます。

パナビアV5を例に挙げてみます

色味の選択方法について、クラレノリタケデンタル株式会社のパナビアV5を例に挙げて解説します。

自然な白さをご希望の場合は"クリア"を選択し、透明感のある仕上がりにしていきます。ただし支台歯(ラミネートべニアをセットするご自身の歯)の色調が濃い場合は透過してしまうためお勧めできません。

一方治療本数が少なく、周りの歯の色調が暗めの方は"ブラウン"を使用し、隣り合う歯となじませます。このようなケースでありがなら、なるべく明るいお仕上がりを目指す場合には治療範囲を広げていただくか、ホワイトニングにて周りの歯のトーンを調整していく必要があります。

そして複数本を治療し、限界まで白く仕上げたい方は"ブリーチ"や"オペーク"を使用します。内部の黄ばみを遮断し、白く見せることが出来ます。例えばテトラサイクリン歯などの重度の着色がある場合も、このタイプなら白く明るく仕上げることが出来ます。

一時的ではなく数年後も見据えて

ラミネートべニアやセメントは継時的変化をほとんど起こしませんが、治療対象歯は生活歯であるため色調の変化が起こります。

それによる影響も含めて使用するセメントや、総合的な美容歯科治療プランを考えていく必要があります。

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